検索エンジンでのサイトの上位表示をめざすSEOで、効果的な対策のひとつが「サイテーション」です。
店舗の集客方法として注目されているGoogleマイビジネスの最適化であるMEO(ローカルSEO)でも有効な対策になると言われています。
ここでは、サイテーションの概要、獲得するための施策や効果を上げるためのポイントについて解説します。
サイテーションとは?
サイテーション(Citation)とは「引用/言及」の意味があり、Webではサイトの名前やURL、会社の住所などが、リンクなしのテキストで記載されることです。
例えば、ポータルサイトやSNSで「○○サイトの内容が役立つ」「○○サービスが便利」などとポジティブな内容がテキストでアップされます。
すると、検索エンジンが人々に有益なサイト/お店と判断し、ページやサイトの評価を高めると考えられています。
集客やアクセスアップで、サイテーション獲得は欠かせません。
サイテーションのSEO・MEO効果
サイテーションはSEOやMEOに効果があると言われています。
SEOでのサイテーション効果
SEOでは、他のサイトに自社サイトのリンクを貼る被リンク(バックリンク)に加えて、テキストのみの記述であるサイテーションも上位表示に効果があるのです。
特に、良い評価のサイテーションが多いほど、サイトについてのGoogleからの評価も上がりアクセスが増え、効果は高まると考えられます。
MEO(ローカルSEO)でのサイテーション効果
MEO(ローカルSEO)とは、店舗や企業の情報ページであるGoogleマイビジネスを、検索結果のGoogleMap枠や地図上に上位表示されるよう最適化することです。
Googleは、ローカル検索では主に「関連性、距離、知名度に基づいて結果が表示される」としています。
このうちリンクや記事・店舗一覧であるサイテーションは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを表す「知名度」に該当します。
飲食店や小売店など実店舗の集客では、この知名度=サイテーション集めが重要です。
サイテーションを獲得するための施策5つ
サイテーションを獲得するためにできる施策には、次のようなものがあります。
わかりやすい&独自のサイト・ブランド名をつける
サイテーションは、正式なサイト名と一致した言及を獲得する必要があります。例えば、サイト名の一部を短縮されて記事に記載されると、サイテーション効果を得にくくなってしまいます。
そのため、長い、読みにくいなどのサイト名はおすすめできません。また、他の名前と被っているのも避けたほうがよいでしょう。
当社運営サイトの「セキュリティナビ」はSEO面も考慮して名付けました。覚えやすさなどの面からしても、わかりやすいサイト名をつけることは集客で重要です。
SNSやブログにサイト名を載せる
Twitter/Facebook/InstagramなどのSNSで宣伝し、高評価のサイテーションを得る方法です。
まずはサイトやサービスのSNSアカウントを登録し、そのジャンルに興味がありそうなフォロワーを増やすのがおすすめです。共有されやすい投稿をし、いいね/コメント/リツイートなどの反応を集めます。
同時に、共有されやすいブログ記事を作成し、ユーザーにSNSへどんどんアップしてもらいましょう。続けることでフォロワーや反応が増えると、効果はより上がっていきます。
ポイントとして、アカウントの紹介欄には下記の情報を載せ、サービスの概要を検索エンジンに伝えましょう。
- サイト名、住所、URL
- サイトに関するキーワードを含めた紹介文
多くのメディアに掲載する
影響力、拡散力の高いサイトやSNSに掲載してもらうのも効果的です。自分のサイトと相性が良い、掲載ネタを募集しているといったメディアとコンタクトをとるなどの方法です。
まずは検索上位の約10サイトに載せ、その後はその次の上位30サイトほどに掲載しサイテーションを構築するのがおすすめです。
掲載するサイテーションサイトの数は多いほうが良いですが、手当り次第載せるのはおすすめしません。ジャンルやサイトの質を考えて掲載するようにしましょう。
NAPが正確かチェックする
NAP(Name/Address/Phone)とは「名前/住所/電話番号」のことで、店舗や企業の連絡先情報になります。
NAPは、すべて正式な表記に統一して載せましょう。大文字小文字などの表記まで正しいものと一致させるのがおすすめです。
表記が異なっている例が以下になります。
- <名称の例>
- 公式サイト:株式会社ロードマップ
ポータルサイト:㈱Roadmap - <住所の例>
- 公式サイト:〒176-0001 東京都練馬区練馬1-18-18
ヴェルデ・ヴィラ2階
メディアやSNSへの掲載は、公式サイトなどの表記に統一します。掲載済みのサイトをチェックし、異なっていれば修正しましょう。NAPの統一は、次の構造化マークアップにも関係します。
構造化マークアップを設定する
NAP情報やURLを構造化マークアップすることで、Webページとサイト情報を紐付けられます。
構造化データとは、Webページの構造をGoogleにわかりやすく伝えるため、HTMLにマークアップする専用コードのことです。
このため、様々なWebページのNAP情報の統一が必要です。
サイトが言及されているかチェックする方法
次の方法で、どのくらいサイテーションがされているか確認できます。
Googleでサイト名を検索
サイト名などを「””」(ダブルクォーテーション)で囲み完全一致検索をすると、サイテーションの件数などが確認できます。
また、次のようにドメイン指定の除外検索をすると、自分のサイト以外での言及を確認可能です。
“セキュリティナビ” -site:securitynavi.jp
現状を確認することで、今後の方針などを決めやすくなります。
Yahoo!リアルタイム検索を確認
Yahoo!リアルタイム検索では、TwitterとFacebookの投稿を同時に検索でき便利です。
SNSやブログの運用にも役立つので、自社のサイト名や店舗名、サービス名で検索してみてください。
Googleサーチコンソールのサイト名検索を確認
Googleサーチコンソールのサイト名検索の回数を見ると、獲得したサイテーションによるアクセス数がわかります。期間を指定しての確認も可能です。
サーチコンソールではその他サイト運営に必要な現状把握ができるので、活用するべきツールの1つです。
サイテーション効果を上げるためのポイント
次のようなコツを押さえると、良いサイテーションを効率よく構築できます。
質の高いサイトを作る
まずは、ユーザーに役立つような良質なサイトを作ることが大事です。見やすくてわかりやすい、使いやすい、専門的で信頼できる、独自の良さがあるなど、訪れた人の視点で考えてみてください。
多くの人が満足するサイトは、高評価のサイテーションを自然にもらいやすくなります。低質なコンテンツをなくし、高質なコンテンツの多いサイト運営を目指してみてください。
低評価のサイテーションがつかないよう注意する
サイテーションは、数だけでなく質も重要です。Googleは人々の役に立つサービス構築を信念としているため、低評価のコンテンツにはなるべくアクセスしてもらいたくないのです。
そのため、批判など悪い評価が多く書かれると、サイトやマイビジネスの順位が下がりやすくなってしまいます。
低評価がつかないよう、質の高いサービス運営を普段からおこなうのが大切です。もし低評価がついてしまったら、コメント返信などで真摯に対応すると、高評価に変えられる可能性があります。
シェアしたくなる企画をする
人々の興味を引き、SNSで周りの人に共有したい、と思わせるコンテンツをアップしてみてください。
例えば、お役立ち資料やサンプル品のプレゼント企画など、そのサービスが気になるきっかけ作りを企画する方法もあります。
まとめ
サイテーションについてご紹介しました。サイトやお店についての前向きな評判が増えると、Googleの評価も高まって信頼性が上がります。
人気のサイトは指名検索もされやすくなるため、上位表示効果はさらにアップします。
サイテーションを構築したら、SNSやGoogleサーチコンソールを使って効果を確認し、次の施策につなげてみてください。
実店舗のある飲食店などは、Googleマップの店舗情報を管理できるGoogleマイビジネスへの登録は必須です。スマートフォンでの集客で特に効果的なツールなので、ぜひ活用してみてください。