はてなブログの削除依頼|誹謗中傷コメントへの対処法
国内ブログサービスの大手として知られるはてなブログは、誰でも無料で開設でき、ユーザビリティの高さやSEOに強いことから、多くのユーザーに利用されています。
多くのユーザーがいるとなると、なかにはブログで個人や企業に対する誹謗中傷や名誉毀損のような記事を投稿してしまう人もいます。
このような記事が特定のキーワードで検索の上位に上がる、もしくはランキング上位に出てしまえば、より多くの人の目に触れ、風評被害や炎上の原因にもなりかねません。
そんな記事を投稿されてしまった場合、はてなブログにおいて削除依頼をする方法やその流れ、注意点などをまとめて開設いたします。
はてなブログとは
はてなブログとは、株式会社はてなが2013年にサービスを開始した、基本無料のブログサービスです(前身のはてなダイアリーは2003年に開始)。
株式会社はてなは、お気に入りのサイトのブックマークを共有できる「はてなブックマーク」、匿名投稿できる「はてな匿名ダイアリー」などのネットサービスで知られています。
はてなブログは、有名ブログサービス大手であるアメブロと同様に記事へのコメント投稿や会員同士で交流できる機能、さらに機能が拡張される有料版もあります。
またSEOに強いといわれ、検索上位に表示されやすく、初心者は投稿を宣伝してもらえるサービスがあります。さらに、ブックマーク機能で拡散もできるため、はじめたばかりでもある程度閲覧してもらいやすい仕組みです。
SEOに強く、宣伝や拡散の機能があるということは、特定の個人や企業に対する誹謗中傷などの記事が投稿されれば、不特定多数の人に見られてしまいやすいともいえます。
はてなブログの削除基準
はてなブログにおける禁止行為や削除対応をおこなう投稿については、「はてな利用規約」第6条(禁止行為)や、「はてな情報削除ガイドライン」に記載があります。
はてな利用規約第6条(禁止行為)によれば、おもにつぎのような行為を禁止事項として定めています。
1. ユーザーは、本サービスを利用するに際し、以下のような法律違反行為を行ってはなりません。
引用:はてな利用規約
a. 著作権、特許権等の知的財産権を侵害する行為
b. プライバシーを侵害する行為
c. 名誉毀損行為、侮辱行為や他者の業務妨害となる行為
d. 詐欺行為
e. 無限連鎖講(ネズミ講)を開設し、またはこれを勧誘・運営する行為
f. 不正アクセス行為の防止等に関する法律に違反する行為、電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法第234条の2)に該当する行為をはじめ、当社及び他人のコンピューターに対して不正な操作を行う行為
g. その他犯罪に関わる行為あるいは法令に違反する行為
2. ユーザーは、本サービスを利用するに際し、以下のような社会的に不適切な行為を行ってはなりません。
a. 犯罪予告、犯罪の指南等、犯罪を引き起こすおそれのある行為
b. 人種、民族、信条、性別、社会的身分、居住場所、身体的特徴、病歴、教育、財産及び収入等を根拠にする差別的表現行為
c. 倫理的に問題がある低俗、有害、下品な行為、他人に嫌悪感を与える内容の情報を開示する行為。ポルノ、売春、風俗営業、これらに関連する内容の情報を開示する行為。
d. 迷惑行為、嫌がらせ行為、誹謗中傷行為、正当な権利なく他者に精神的被害・経済的被害を与える行為
e. 自分以外の個人や会社、団体を名乗ったり、権限なく特定の会社や団体の名称を使用したり、架空の個人や会社、団体を名乗ったり、事実がないにも関わらず他の人物や会社、団体と業務提携や協力関係があると偽ったりする行為
f. 他者になりすましてサービスを利用したり、情報を改ざんする行為
g. 反社会的勢力等の活動を助長または反社会的勢力等に利益を供与する行為
h. その他、公序良俗に反するかあるいは社会的に不適切な行動と解される行為
また、はてな情報削除ガイドラインでは、つぎのような内容にあたる投稿を削除の基準としています。
- 著作権侵害およびそれに類する知的財産権の侵害行為
- 自らが開示していない、氏名・勤務先・自宅の住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報、プライバシー情報の掲載
- 名誉毀損・侮辱
- 人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な社会的評価を低下させる情報や、デマの掲載
これらにあたる内容の記事やコメントであれば、サービス利用規約や法律に違反しているとして、対応してもらいやすいです。
はてなブログの書き込み削除依頼の流れ
はてなブログに削除依頼をおこない、ブログの削除か非表示を実施してもらうには「申請」「調査」「処理」の3ステップを踏む必要があります。この流れについて解説いたします。
なお、依頼文を作成する参考として、事前に削除基準などが掲載されている以下のページに、ある程度目を通しておくのがおすすめです。
運営に申請する
まずはてなブログの運営に、削除依頼の申請をおこないます。専用フォームはないため、文書(郵送・FAX)かメールで問い合わせる必要があります。
その際は、つぎのような情報を記載してください。
- 氏名
- 住所
- 連絡先
- 侵害情報についての各情報
- 送信防止措置を希望する意思表示
- 発信者への氏名開示の可否
- 申立内容の公開の可否
「侵害情報についての各情報」とは、「侵害情報が書かれているブログ記事のURL」「その内容」「侵害されたとする権利」「権利が侵害されたとする理由」の4つを明記します。
掲載された情報のどの部分が利用規約、法律のいずれに反しているのか、具体的に明記することで、申し立てを受理してもらいやすいです。
以上の内容をすべて記載したら、つぎのいずれかの連絡先に送ります。
- 文書の場合
- 〒604-0835
京都市中京区御池通間之町東入高宮町206 御池ビル9 - メールの場合
- cs@hatena.ne.jp
- FAX書の場合
- 075-241-9949
はてなブログ運営による調査
はてなブログ運営側に申し立てが届いたら、当該の投稿が削除するに値するか、利用規約と法律いずれかに違反していないかをもとに、調査がおこなわれます。
なお、申立書の項目に不備がある場合、申立者確認が行えない場合、侵害情報の確認ができない場合は、5営業日以内に判断の理由を付して再度の申し立てが要請されます。
はてなブログ運営による処理
運営側による調査が完了すると、ブログ投稿者に削除依頼があった旨の連絡がなされ、削除依頼に応じるか否かの返信が求められます。
投稿者が削除に応じる、もしくは7日以内に返信しなかった場合、該当の記事が削除されます。
しかし、投稿者が削除依頼に対して反論をおこなった場合はすぐ情報が削除されず、はてな運営が削除申し立て者と投稿者を仲介し、当事者間の自主的問題解決を促します。
はてなブログ削除依頼に関する注意点
はてなブログに削除依頼をする際、事前に知っておくとよい注意点についてもご紹介いたします。
必ず削除されるとは限らない
削除申請を申し立てると、はてなブログ運営による調査が実施され、その結果により投稿の削除をおこなうかどうかが決まります。
表現の自由もあるため、内容によっては利用規約に反しているといえない、削除の基準にあたらないと判断され、削除に応じてもらえない場合があります。
また、投稿者が記事掲載に対する正当性を主張したり、「その人のことは言っていない」などと主張した場合も、受理されない場合があります。
削除依頼は相手に通知が行く
はてなブログでは、削除依頼の申し立てをおこなうと、記事の投稿者へも通知が行く仕組みになっています。
依頼文に具体性がなくあいまいだったり、誹謗中傷をされた怒りから感情的、もしくは脅迫めいた言葉になっていたりすると、その内容がさらにブログで晒され、炎上につながりかねません。
相手も目を通すことを考慮して、正当性のある理性的な内容にするよう心がけてください。
時間がかかることもある
上記のように、削除依頼をしても審査があり、そのあとに削除するか決定されるため、ある程度の時間を要する場合があります。
誹謗中傷の投稿は、放置するほど多くの目に触れるリスクがあるため、時間がかかることも考慮してなるべく」早く申し立てをしてしまうのがおすすめです。
申し立てからしばらく経っても音沙汰がない場合、再度同様の内容で申し立てると迷惑になる可能性もあるため、進捗を確認する程度にしておくとよいでしょう。
削除依頼が受理されなかったときは弁護士に相談
前述のように、削除依頼をしたからといって、かならず削除に応じてもらえるわけではありません。基準を満たさない、もしくは投稿者が反論した、などで受理されない場合もあります。
その場合でも、どうしても書き込みを削除してほしいという場合、最終手段として弁護士に相談するという方法があります。
弁護士は法的にネット上の投稿を削除することができ、また発信者情報開示請求により投稿者を特定し、慰謝料の請求をすることも可能です。
初回相談は無料というところも多いため、まずはインターネットの知識が豊富な弁護士にどうすべきか相談してみるのもよいかもしれません。