2ちゃんねる(2ch.sc)の削除依頼|誹謗中傷コメントへの対処法
2ちゃんねるといえば、2017年に運営権が移り「5ちゃんねる」に名称が変更されましたが、その後新たに「2ちゃんねる(2ch.sc)」という匿名掲示板が立ち上げられました。
匿名で投稿できることから、特定の個人や法人、団体に対する誹謗中傷の投稿がなされることもあり、これにより風評被害を受けてしまうケースも実際にあります。
この記事では、2ちゃんねる(2ch.sc)で悪意ある投稿をされた場合、削除してもらうことは可能か、削除依頼の方法はどうすればよいのか、などを解説いたします。
2ちゃんねる(2ch.sc)とは
2ちゃんねるとは、日本最大の匿名インターネット掲示板サイトです。2ちゃんねるには「2ch.net(現5ちゃんねる、5ch.netに変更)」と「2ch.sc」があり、運営が違います。
そもそも2ちゃんねるは、1999年に西村博之氏が個人用掲示板として「2ちゃんねる(2ch.net)」を立ち上げたのがはじまりです。
その後、西村氏がジム・ワトキンスという人物に運営権を譲渡、管理権限の紛争があり、元の2ちゃんねるが5ちゃんねる(5ch.net)に名称変更、西村氏が新たに2ちゃんねる(2ch.sc)を立ち上げました。
5ちゃんねると同様、誰でも匿名で投稿できることもあり、個人情報の晒し行為や個人、企業に対する名指しの誹謗中傷など、過激な投稿も少なからずあるのが現状です。
2ちゃんねる(2ch.sc)の削除ガイドライン
2ちゃんねるでは投稿のルールや、どのような投稿が削除対象となるのかを、削除ガイドラインに定めており、これに則って対処するとしています。
個人の取り扱い
この削除ガイドラインでは、投稿における「個人」の取り扱いについて、3種類に分類してそれぞれにルールを定めています。
【一群】
政治家・芸能人・プロ活動をしている人物・有罪判決の出た犯罪者【二類】
板の趣旨に関係する職業で責任問題の発生する人物
著作物or創作物or活動を販売または提供して対価を得ている人物
外部になんらかの被害を与えた事象の当事者【三種】
引用:削除ガイドライン
上記2つに当てはまらない全ての人物
それぞれの削除対象は以下のとおりです。
【一群】
・公開されているもの、情報価値があるもの、公益性が有るもの等は削除しない
・削除の可否は管理人が判断【二類】
・外部から確認できない、責任や事象に無関係な情報は削除対象
・公開されたインターネットサイト、全国的マスメディア、電話帳で確認できる等の隠されていない情報は削除しない【三種】
引用:削除ガイドライン
誹謗中傷の個人特定が目的である、文意により攻撃目的である等の場合はすべて削除対象
法人・団体・公的機関の取り扱い
法人・団体・公的機関に対する批判、誹謗中傷は原則放置としています。ただし電話番号については、明らかに公的なもの以外は一律で削除対象です。
電話番号については、明らかに公的なもの以外は確認手段が確立していないので一律削除対象になります。
その他、放置対象ではない場合は削除されることがあります。削除の可否は、依頼があった時点で考慮されることになり、最終的に管理人が判断します。
引用:削除ガイドライン
かといって、かならず削除に応じないわけではなく、削除要請板で要請するように記載があります。
2ちゃんねるで削除依頼する方法
2ちゃんねるで削除依頼をおこなう場合、自分で削除依頼板から申請する方法と、弁護士に依頼する方法の2種類があります。それぞれ解説いたします。
削除依頼板から申請する
2ちゃんねるでは郵送や電話、メールなどでの削除依頼は一切受けつけていません。「削除要請板」(重要削除対象専用)か「削除整理板」(通常削除)で依頼する形式です。
2ちゃんねるの定めた削除ガイドラインでは、個人名・住所・所属など個人情報の掲載、差別・蔑視発言を重要削除対象としており、これらの投稿は「削除要請板」で申請してください。上記以外の内容は「削除整理板」で申請します。
掲示板に投稿の際は、必要事項を入力のうえ「依頼の理由」の部分で、投稿内容のどの箇所がガイドラインや法律に反しているのか、それによる実害などを記載します。
依頼理由の内容が薄かったり、主観的・感情的な理由では、理由不備として不受理になりやすいです。過去の投稿を参考にしつつ、詳細に書く必要があります。
注意)削除依頼は公開される
削除依頼の際に入力した名前や依頼理由などの内容は、サイト上で公開され、それをもとに削除人(削除屋)と呼ばれるボランティアのユーザーが、削除可否の判断を下します。
公開されて多くの人の目に触れるため、上記のように主観的・感情的な内容を投稿すると、火に油を注ぎかねません。あくまで淡々とした文章を投稿されることをおすすめします。
弁護士に依頼する
自分で削除依頼をしても受理されなかった、またはなるべく早く、より削除してもらえる確率を高めたい場合、弁護士に依頼する方法があります。
弁護士に依頼した場合、状況次第で弁護士が代理で「削除要請板」から申請、もしくは仮処分の申し立てにより、法的に要請をおこないます。
掲示板から削除要請をおこなう場合、弁護士であっても依頼者と同様の取り扱いになるため、2ちゃんねるの削除ガイドラインやルールを理解している必要があります。
2ちゃんねるの削除ルールにくわしい、できれば削除の実績がある弁護士に依頼することをおすすめします。
なお、仮処分の申し立てとは裁判所で仮処分手続きをおこない、法的に削除命令を出してもらうものです。
まとめ
2ちゃんねるで削除依頼する方法は2種類あると解説いたしました。
まずは、費用もかからず自分でおこなえる削除依頼板からの申請がおすすめです。その際は削除ガイドラインを確認し、削除相当と判断されるような内容をよく検討されてください。
過去の削除依頼の内容を確認すると、依頼理由の内容が薄く、理由不備から「内容を確認するまでもなく不受理」になっているケースが多く見受けられます。
依頼しても不受理になり、それでも投稿を削除してもらいたい場合は、内容を練り直して再度依頼を申請するか、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
弁護士であれば、法的な手段で削除要請ができますし、発信者情報開示の請求をおこない、投稿者を特定して慰謝料の請求も可能です。
弁護士に依頼するか悩まれている場合は、初回相談が無料というところで話を聞いてもらって判断してみるのもよいかもしれません。