サジェスト汚染とは?与える影響や対処法
検索エンジンで任意のキーワードを入力すると、検索回数の多い、予測される入力キーワードが表示されます。これが「サジェスト」です。
サジェストがあれば入力の手間が省けますし、また興味を惹かれるキーワードが表示され、思わずクリックしたことがある方もいらっしゃることでしょう。
しかし近年、そこにネガティブなキーワードが表示される「サジェスト汚染」が問題となっています。
今回は、サジェスト汚染とはなにか、表示された際の対処法について解説します。
サジェスト汚染とは
サジェスト汚染とは、検索エンジンのサジェストにネガティブなキーワードが表示されてしまうことです。英語ではgoogle bombと呼ばれています。
例としては「(個人名)詐欺」「(企業名)ブラック」「(企業名)訴訟」など、特定の個人や企業とネガティブなキーワードがセットとなっているものが挙げられます。
このようなキーワードが表示されることで、実際の検索結果を見ておらず、また事実と異なっていても、ユーザーが悪印象を抱いてしまう可能性があります。
サジェスト汚染の原因
では、なぜサジェスト汚染が起きてしまうのか、その原因はおもに次の2つです。
- 実際に検索されている
- 人為的な可能性も
それぞれの原因について解説していきます。
実際に検索されている
サジェストで表示されるのは、実際に多くのユーザーから一定の回数、そのキーワードが検索されているということです。
とくに、インターネット掲示板やSNSなどで話題に上がれば、それに関して検索するユーザーが一気に増え、サジェストに表示されやすくなります。
また、サジェストに表示されることで、そのキーワードを見て興味をもった人がクリックするようになり、より検索回数が増える原因にもなります。
人為的な可能性
SEOなどのノウハウがあれば、サジェストに任意のキーワードを表示させたり、検索上位に表示させたりすることが可能です。
嫌がらせや業務妨害などの目的で、第三者が故意にネガティブなキーワードを表示するように操作している可能性もあります。
サジェスト汚染が及ぼす影響
サジェスト汚染が起きた場合、前述のように真偽に関係なく、キーワードを閲覧したユーザーから悪い印象を抱かれてしまう可能性があります。
個人であれば就職・転職の場面で怪しまれたり、企業であれば取引の中断や業績の悪化、採用活動の難航など大きな悪影響を及ぼしかねません。
これを放置していると、さらに多くのユーザーの目に触れ、興味をもたれてクリックされてしまい、長期にわたりサジェストに表示され続けて影響を広げるおそれもあります。
サジェストの削除は可能?
サジェストにネガティブなキーワードが表示されるようになった場合、削除してもらうことは可能です。ただし、容易ではありません。
というのも、検索エンジン側としてはユーザーに知る権利があると考えており、事実であるネガティブなキーワードは削除に応じてもらいにくいです。
事実無根の誹謗中傷や風評被害、法律に反するようなキーワードである場合、削除してもらいやすいでしょう。
サジェスト汚染への対処法
では、もしもサジェスト汚染の被害を受けてしまった場合、どうすれば削除してもらえるのか、対処法をご紹介します。
【Google】「法律に基づく削除に関する問題を報告する」から申請する
Googleは「オートコンプリートポリシー」に違反するコンテンツに関して、表示を防ぐシステムを導入しています。違反するコンテンツは以下のような内容です。
引用:Google のオートコンプリートの候補の仕組み
- 危険なコンテンツ
- ハラスメント コンテンツ
- ヘイト コンテンツ
- 露骨な性表現を含むコンテンツ
- テロに関するコンテンツ
- 暴力や流血
- 下品な言葉や冒とく的表現
サジェスト汚染のキーワードが上記にあたる場合、Googleの「法律に基づく削除に関する問題を報告する」に必要事項を入力し、削除申請をおこなうとよいでしょう。
【Google】「不適切な検索候補の報告」から申請する
Googleの検索フォームにキーワードを入力した際、右下に小さく「不適切な検索候補の報告」というリンクが表示されます。
これをクリックし、不適切な検索候補とその理由を選択して送信すると、Googleに報告できます。
ただ、これは上記の「法律に基づく削除に関する問題を報告する」より簡易的なもので、Google側が今後の分析の材料にする目的で受け付けているものなので、かならず削除してもらえるものではありません。
【Yahoo!】「Yahoo!検索 – お問い合わせフォーム」から申請する
Yahooのサジェストに表示されたキーワードの削除申請は、「Yahoo! JAPANヘルプセンター Yahoo!検索 – お問い合わせフォーム」からおこなえます。
こちらはGoogleと異なり、連絡先メールアドレスを入力する必要がなく、削除可否に関しての連絡はありません。通常、最短1日~平均1週間前後で対応されるようです。
インターネットに詳しい弁護士に依頼する
サジェスト汚染の削除申請は基本的に本人のみが可能ですが、例外として弁護士に依頼することも認められています。
自力での解決が難しい、GoogleやYahooに削除を申請しても通らなかった、という場合はプロに依頼するのもひとつの手段です。
ただし、インターネットの知識があまりない弁護士もいるため、しっかりしたサイトがある、または実際相談して詳しそうだと感じた人に依頼するとよいでしょう。
風評被害対策会社に依頼する
自力での解決が困難で、弁護士に依頼するのはハードルが高いという場合、風評被害対策会社に依頼する方法もあります。
風評被害対策会社はどのように解決するかというと、SEOでほかのキーワードをサジェストに表示するように施策し、ネガティブなキーワードを沈めるという方法を採ります。
ほかの複数のキーワードがサジェストに表示されるようになれば、ネガティブなキーワードが再度表示されにくくなり、結果的に削除したも同然となります。
また、風評被害対策会社によっては提携している弁護士と連携し、削除依頼をおこなっているところもあります。
まとめ
このように、サジェスト汚染は自身や会社のイメージに悪影響を与えることがあり、放置しておくとさらに大きな問題に発展するおそれもあります。
もしネガティブなキーワードが表示されるようになってしまったら、まずGoogleやYahooに削除依頼を申請し、難しいようなら弁護士や風評被害対策会社に依頼するとよいでしょう。