発信者情報開示請求とは?手続きの方法・流れ
ネットの掲示板やSNSにおいて、誹謗中傷やプライバシーを侵害している書き込みがされた場合、その犯人を特定することで慰謝料の請求などがおこなえます。
そんなときに必要となるのが「発信者情報開示請求」と呼ばれる手続きです。これは具体的にどのようなものなのか、またその方法や流れについて解説します。
発信者情報開示請求とは
発信者情報開示請求とは「プロバイダ責任制限法第4条」に基づき、悪質な書き込みをおこなった人物の身元を開示するよう、プロバイダに求めることです。
開示請求は個人でもおこなうことができますが、弁護士に代行してもらうこともできます。任意開示ではありますが、プロバイダ側が請求に応じない場合は強制する方法もあります。
書き込んだ人物を特定するには
悪質な書き込みをおこなった人物(発信者)の身元特定には、つぎのような流れで発信者情報開示請求をおこなう必要があります。
- STEP1:書き込まれたサイトの運営者に発信者情報開示請求(IPアドレス)
- →応じない場合は裁判所の仮処分
- STEP2:IPアドレスと利用プロバイダが判明
- STEP3:プロバイダに発信者情報開示請求(個人情報)
- →応じない場合は仮処分もしくは訴訟
- STEP4:プロバイダが発信者の氏名・住所などの情報が判明
発信者情報開示請求の方法・流れ
では、発信者情報開示請求をおこなう方法と流れを解説します。
発信者情報開示請求書の作成
まずは、発信者情報開示請求書という書面を作成する必要があります。自分でおこなう場合、「プロバイダ責任制限法 関連情報Webサイト」にて書式が用意されているので、こちらの利用がおすすめです。
発信者情報開示請求書の記入例
- [貴社・貴殿]が管理する特定電気通信設備等
- 書き込みが行われたサイトのURL
- 掲載された情報
- どのような内容かの要約、たとえば「私(名前)についての事実と異なる名誉毀損」など
- 侵害された権利
- 「名誉毀損」「プライバシー侵害」など
- 権利が明らかに侵害されたとする理由
- 書き込まれた内容のどの部分が、どの権利を侵害しているのか、なにが事実と異なるのか、などを具体的に説明します。
これより以下の項目は当てはまるものに○をつけてください。「開示を請求する発信者情報」に関してはすべて○をつけるのが無難です。なお、手書きとパソコンどちらでも問題ありません。
発信者情報開示請求を申し立てる
上記のように作成した発信者情報開示請求書は、サイト運営者に簡易書留で送付してください。その際、以下のものを同封します。
- 発信者情報開示請求書
- 該当の書き込みのコピー
- 本人・法人確認書類のコピー(有効期限を要確認)
サイト運営者(プロバイダ)による審査
サイト運営者(もしくはプロバイダ)に発信者情報開示請求が届くと、その内容を確認したうえで、開示するかどうか審査をおこないます。請求に強制力はないため、開示を拒否する可能性があります。
請求が拒否された場合、裁判所の命令により勝訴と同様の状態を確保できる「仮処分」を申し立てることで、強制的に開示を命令することが可能です。
発信者情報の開示
情報開示請求、もしくは仮処分により発信者情報が取得できたら、名誉毀損の慰謝料を請求できます。その場合、相手住所に内容証明郵便で慰謝料の請求書を送ります。応じない場合、訴訟も起こせます。
また、内容が悪質であれば、警察に被害届を提出するという手段もあります。
発信者情報開示請求は成功率が低い
開示請求は個人でおこなうことができ、送料程度の費用しか掛かりませんが、これを受け取ったサイト運営者やプロバイダがスムーズに情報を開示する可能性は低いといわれています。
プロバイダに対して請求をおこない、4~7ヶ月ほどで審査の結果が出ますが、プロバイダ側は発信者情報をおよそ3ヶ月しか保有しません。時間が掛かるほど情報が失われる恐れがあります。
そのため、書き込みを発見次第すぐに対応をおこなう、もしくは弁護士に依頼して仮処分の申し立てを代行してもらうことで、情報が失われる前に開示してもらえやすいです。
まとめ
サイト運営者やプロバイダは、このような依頼を受けることが多く、また請求者の主張が誤っている場合もあることから、すんなりとは情報を開示しません。
そのため、書き込んだ人物を確実に特定したいという個人、法人の多くは弁護士に依頼するケースが多いようです。
弁護士費用は決して安くありませんが、損害賠償の請求が可能と思われるケースでは、仮処分の際に支払った弁護士費用も損害として認められる場合もあります。
ネットで誹謗中傷されたときの対処法|困ったときの相談先
個人名もしくは会社名などでネット掲示板やSNSに誹謗中傷の投稿がされた場合、そのまま放置してしまうのは危険です。ネットの情報は、削除しないと残ってしまいます。
そのため、投稿から時間が立つほどより多くの人の目にさらされ、周囲に誤解を受けたり、さらにその噂を広められたりする可能性があります。
このようなとき、どのように対処するのが正しいのか、その対処法と困ったときはどこに相談すればよいのか、まとめてご紹介します。
ネットで誹謗中傷されたときの対処法
早速、ネットで誹謗中傷の投稿をされてしまった場合の対処法について解説します。
誹謗中傷の証拠保全
誹謗中傷の内容を発見したら、すぐに証拠の保全をおこなってください。投稿した本人が内容を削除したり、ブロックされて見られなくなったりすると、通報がむずかしくなる可能性があります。
投稿内容のスクリーンショットを取る方法もありますが、投稿されたページのアドレスを特定する必要があるため、ブラウザの印刷メニューから、「PDFに出力」という形で残すのがお勧めです。
サイト管理者に削除を依頼する
削除依頼の手順としては基本的に、お問い合わせフォームに証拠の画像、もしくは投稿URLなどを記載し、どの記述が誹謗中傷にあたるかを簡潔に説明して送信します。
運営側はその通報内容を見て、削除が相応と判断した場合に削除を実施します。判断次第ではそのまま放置となります。通報しても削除されない場合、裁判所の仮処分をおこなうことで強制執行ができます。
仮処分は個人でもできますが、弁護士に頼むと面倒がありません。詳しい削除依頼の方法については以下の記事を参考にしてください。
専門家に相談する
最近はネットでの誹謗中傷に詳しい弁護士や、誹謗中傷の投稿がされた場合に該当の投稿を検索サイトから見えなくするサービス(逆SEO)を実施する企業も増えています。
このような専門家で多くのケースを扱った実績があれば、スムーズに解決してくれるでしょう。初回相談は無料というところが多いので、試しに話だけでも聞いてみるのもよいかもしれません。
ネット風評被害に遭ったときの相談先
ネット風評被害に遭った場合に大きく炎上してしまうと、自分一人では収拾がつかなくなることもあります。そのような場合には以下のような相談先を頼ることも検討するとよいでしょう。
警察
個人の場合であれば、警察のサイバー犯罪相談窓口に相談する方法があります。ただ、警察は事件性がなかったり、犯罪の証明がむずかしかったりするケースだと、対応できない可能性が高いです。
事件性のある投稿というのは、たとえば脅迫や殺害などの犯行予告、リベンジポルノのように写真を晒されたといった実被害のあるものなどをいいます。
警察署またはサイバー相談窓口に相談するとよいでしょう。
» 警察庁サイバー犯罪対策プロジェクト『都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口一覧』
弁護士
ネット風評被害に詳しく、実績のある弁護士であれば、スムーズに解決してくれます。それなりに費用はかかりますが、弁護士に依頼すればほぼ確実に削除をしてもらうことができます。
成功報酬で請け負う弁護士に依頼すれば、投稿の削除に至らなかった場合に費用が発生しないので、安心して依頼しやすいでしょう。
ただ、ネットの問題に疎い弁護士に依頼すると、解決がむずかしくなる場合があるので、ネット誹謗中傷に強いことを謳っている弁護士への依頼がおすすめです。
風評被害対策の専門業者
専門業者とは、おもに「該当の投稿を検索サイトに表示されないようにする(逆SEO)」「ネットに強い弁護士の紹介」「風評被害の監視」「風評被害を防ぐ対策の提案」などのサービスを実施します。
風評被害の投稿が多く、すべてを弁護士に依頼しきれないという場合や、事前に被害を防ぎたいという場合に効果的です。
専門家に依頼することで可能になること
ネットの誹謗中傷に詳しい弁護士や専門業者に依頼することで、つぎのようなことが可能になります。
書き込んだ人物の特定
「発信者情報開示請求」をおこなうことで、書き込んだ人物を特定できます。請求方法はつぎのとおりです。ただ、書き込んだデータがサーバーから消えるまで(約3ヶ月以内)におこなう必要があります。
投稿サイト運営者に書き込んだ人物の「IPアドレス」開示を請求
↓
該当IPアドレスを提供するプロバイダに「投稿した人物の個人情報」開示を請求
請求に応じない場合は、そのつど裁判所の仮処分をおこないます。発信者情報開示請求の方法について、詳しくは以下の記事で解説しています。
慰謝料の請求
書き込んだ人物が特定できた場合、投稿した内容が「名誉毀損」「侮辱」「プライバシー侵害」などにあたれば、慰謝料を請求できます。投稿内容が悪質な場合、警察に被害届を提出する方法もあります。
迷ったときは弁護士に相談
削除依頼は自力でおこなうこともできますが、個人の依頼で削除が実行される可能性は低いといわれます。裁判所の仮処分もできますが、それなりに知識が必要です。
被害の拡散を防ぎたい、また犯人を特定したい場合は、とにかく早めの行動が重要です。どう対処すればよいか迷った場合は、まず弁護士の無料相談で話を聞いてみてはいかがでしょうか。
ネガティブなサジェストの削除|サジェスト対策で風評被害をなくす
Google・Yahoo!の検索欄に単語を入力すると、複数のキーワード候補が表示されるのを見たことはありませんか?
このキーワードのことをサジェストキーワードといいます。サジェストとは予測変換を意味していて、ユーザーが検索しているキーワードを予想して提案する機能です。
便利な機能ですが、サジェストにネガティブなキーワードが表示されることがあります。ネガティブなキーワードの表示は、個人・企業において風評被害の原因となるので、対策をおこない削除することが必要です。
そこで今回は、サジェスト対策について解説していきます。
サジェスト対策とは
サジェスト対策とは、特定のキーワードをサジェストに表示、または非表示(削除)する対策のことです。
サジェスト対策は、主に2つの目的で行われます。
- 特定のキーワードを表示させWebサイトのアクセスアップ
- 風評被害対策のため、ネガティブなサジェストを削除
この記事では、風評被害のサジェスト対策に焦点をおいて書いていきます。
なぜなら、サジェストはGoogleやYahoo!といった検索エンジンに表示されるため、ネガティブなキーワードがあれば経営に影響を及ぼすからです。
なぜサジェスト対策が必要なのか
GoogleやYahoo!で企業や人、商品などを検索する際、「ブラック」「パワハラ」「詐欺」「悪質」といったネガティブなサジェストが表示されることがあります。
このようなキーワードが表示される状態をサジェスト汚染と呼びます。
サジェストが汚染される原因は、次の2つです。
- ネガティブワードの組み合わせで一定数検索されている
- ネガティブワードを含むサイトやコンテンツがある
一度ネガティブワードが出ると、興味本位で検索する一般ユーザーが増えます。すると、サジェストに定着してしまいます。
サジェストに表示されるキーワードは多くのユーザーが目にし、クリック率も高いです。あるマーケティング会社の調査では、70%のユーザーがサジェストを利用したことがあるとしています。
ポジティブなキーワードであればイメージアップになますが、ネガティブなキーワードの場合、事実無根であっても、イメージダウンになるのは避けられません。
一度でもマイナスイメージがつき、信用や売上がダウンしてしまうと、回復は困難です。特に、デマや誹謗中傷でサジェスト汚染されている場合は、早急な対策が必要です。
サジェスト対策、ネガティブキーワードを削除する方法
ネガティブキーワードは、早めの削除が重要です。サジェスト対策の方法を紹介します。
Googleサジェスト削除申請フォームから依頼
Googleサジェストは、自分で削除依頼ができます。Googleのオートコンプリートポリシーに違反し、権利侵害が発生していると判断されるとサジェストが削除されます。
申請は、Googleサジェスト削除申請フォームからおこないます。
削除申請は1回目に通らないと2回目も通らない可能性が高いので、1回目にしっかり詳細を書き申請するのが重要です。
ネットに強い弁護士に依頼
サジェストの削除申請は、法的根拠が必要です。個人ではどのような権利に侵害されているのか、法的根拠を示すことが難しいため弁護士に依頼することをおすすめします。
インターネットに強い弁護士に依頼する方法することで、被害内容や中傷事実の有無を調べ、法的にサジェストを削除できる可能性が高くなります。
依頼するときは、依頼した弁護士が代理削除申請をしてくれるか、弁護士への依頼時に仲介業を介さないことになっているか、確認してください。
ただ、弁護士への依頼は金額が高額になりやすいです。相談のみで料金がかかる、結果がでなくても着手金はかかるなどの場合、痛手となります。
風評被害対策を専門とする会社に依頼
風評被害や誹謗中傷対策専門会社への依頼では、高確率かつ最短数週間で非表示にできます。
サービスを選ぶポイントには、サジェスト汚染の原因分析ができる、再発防止補償などのサポートがある、対応が速いなどがあります。成果報酬型では、成功しなければ費用はかかりません。
ネット掲示板などへの誹謗中傷や、名誉毀損の書き込みについても相談できます。相談や見積もりは無料の場合が多いため、ぜひ問い合わせてみてください。
サジェスト対策の注意点
サジェスト対策には、いくつか注意点があります。
対策を止めると再表示する可能性がある
サジェスト機能はGoogleやYahoo!が管理しているため、検索エンジン側のシステム変更があると、非表示化できたキーワードが再表示することがあります。
対策を止めると表示されたままになってしまうため、続けての対策が重要です。
風評を完全になくすことはできない
サジェスト対策はネガティブワードを非表示にするものなので、風評自体を完全になくすことはできません。
風評被害を根本的に解決するには、経営体制などの見直しも重要です。うまくいけば、時間をかけて自然とネガティブワードも消える可能性があります。
まとめ
人の行動は、イメージに大きく左右されます。企業や商品のブランドイメージが下がると、倒産など存続に関わる事態になる恐れもあります。
一度下がったイメージを上げるのはかなりの時間と労力がかかるため、サジェスト汚染がわかったら、早急に対策すること大事です。
ホストラブ(ホスラブ)削除依頼の手順|注意点や消えないときの対処法
ホストラブ(ホスラブ)は月間200万人ものユーザーが利用している、夜の業界の情報交換に使われている大規模な掲示板サイトです。
これだけ利用者が多く、また夜の業界に関する情報交換サイトということもあり、個人名や店名などを挙げた誹謗中傷などの投稿がされることも少なくありません。
ホストラブで誹謗中傷などの投稿がされた場合、削除依頼をおこなうにはどうすればよいか、またその注意点などを詳しく解説していきます。
ホストラブの削除基準
まずホストラブの「削除ガイドライン」によれば、投稿された内容のうち以下のような基準で削除するかどうかの判断をおこなっています。
個人名・住所・所属について
- 情報価値がある、公益性があるものは削除されません。
- 公開されたサイト、全国的マスメディア、電話帳で確認できる、などの情報は削除されません。
- 趣旨説明や公益性がなく、誹謗中傷が目的などの場合は削除対象です。
電話番号について
- 一部伏せ字、それを示唆するような文字列なども原則としてすべて削除対象です。
- 投稿者の自己責任であるものは削除されない場合があります(本人が公開したと判断できるもの、リンク先で確認できるものなど)。
メールアドレス・ホスト情報について
騙りや悪意が明らかで攻撃を目的とするもの、晒し目的などの場合は削除対象です。
誹謗中傷について
- 公益性があり掲示板の趣旨に則した内容、直接の関係者に関する記述は削除しません。
- 個人(ホストを含めた有名人を除く)を特定する情報を含んだ投稿はすべて削除対象です。
私生活情報について
公益性のないプライベートな情報は、個人(ホストを含めた有名人)が完全に特定されなくても、中傷していなくても、すべて削除対象です。
ホストラブに削除依頼する際の注意点
ホストラブの運営側に削除依頼をする場合、次のような点に注意が必要です。
自分で削除依頼した場合は履歴に公開される
削除依頼をおこなう際になぜ削除を希望するのか、その理由や根拠を記述することになりますが、この内容は「削除依頼履歴」のページで公開されてしまいます。
そのため、依頼時にあまりプライベートな内容や詳細を書きすぎると、二次被害につながってしまうので、気をつけてください。
依頼文はガイドラインを参考に「個人情報のため」や「誹謗中傷にあたるため」など、簡潔に理由を述べる程度にしておくとよいでしょう。
スレッド単位の削除は難しい
削除依頼は、基本的にガイドライン違反のあった投稿を対象としており、スレッド(掲示板ごと)単位での削除はむずかしいです。
スレッドごと削除されるには、その投稿すべてがガイドラインに違反している場合のみになります。この判断は、削除をおこなう「削除人」次第です。
削除業者の利用は違法
削除依頼を弁護士に代行してもらうことができますが、弁護士以外の業者に依頼すると、「非弁行為」として弁護士法という法律に違反してしまいます。その場合、引き受けた業者だけでなく依頼者も罰せられるおそれがあります。
ホストラブの削除依頼ガイドにもこれに関する記載があり、違法な削除代行をおこなう業者は事業者名・サービス名などを公開するとしています。
ホストラブの削除代行をおこなえるのは弁護士だけなので、このような業者に依頼しないよう注意してください。
ホストラブに書き込み削除を依頼する手順
では、どのように削除依頼をおこなうのか、その手順や各項目の入力方法について解説していきます。まず、「削除依頼フォーム」にアクセスしてください。トップページ下部にもリンクがあります。
フォームにはつぎのような入力項目があります。
- スレッド番号
- レス番号
- 削除理由
- お名前
- メールアドレス
なかでも重要となる1~3の入力方法について見ていきましょう。
1. スレッド番号
スレッド番号は、スレッドページのURLで確認できます。たとえばURLが「http://kanto.hostlove.com/**/(14桁の数字)/1」の場合、この14桁の数字がスレッド番号です。
2. レス番号
レス番号とは、書き込みのすぐ上に表示されている数字のことをいいます。削除してほしい投稿が複数ある場合、カンマ(,)で区切って入力します。
3. 削除理由
この部分はホストラブの「削除ガイドライン」を参考にして、削除してほしい投稿内容がどのようにガイドラインに違反しているかを500文字以内で説明します。
前述のとおり依頼文は公開されるため、詳細を書きすぎないように注意して、削除を依頼する理由を記述してください。
要確認!削除依頼の成功率を高めるために
削除依頼をすれば、かならず該当の投稿が削除されるとは限りません。ガイドラインに違反していなければそのままになります。すべては削除をおこなう「削除人」の判断次第です。
では、どうすれば削除してもらいやすいのか、その成功率を高めるコツをご紹介します。
利用規約
ホストラブには、ガイドラインのほか「利用規約」もあります。利用規約には「禁止行為」の記載があり、投稿に関しては以下のように定められています。
2:虚偽または故意に誤解を与える発言
3:民族的・人種的差別につながる発言、倫理的観点から問題のある発言
6:本サイトの目的及び開設されたテーマとは無関係な発言
7:本サイトが禁止を明示した発言または削除した発言と同一または類似する内容の発言
10:第三者の個人情報を無断で収集、開示する行為
11:第三者に対する誹謗中傷または名誉き損、もしくは他者に対して不利益または不快感を与えるおそれのある発言
13:公序良俗に反する行為
これをもとに「利用規約の~に違反する」と記載すれば、主張の正当性が高くなります。
削除依頼履歴
ホストラブの「削除依頼履歴」ページでは、過去に受理された削除依頼の内容が公開されています。この履歴から、実際どのように依頼の申請がおこなわれたのかを確認できます。
掲載されているのは削除に応じてもらえたケースなので、これを参考に依頼文を考えると成功率を高めることができるでしょう。
削除依頼がホストラブに受理されなかったときの対処法
削除依頼ガイドによれば、削除は96時間を目処に実行されます。これを大きく過ぎた場合、依頼が受理されなかったといえるでしょう。
受理されなかった場合でも、どうしても削除してほしい投稿があるかもしれません。その場合の対処法について解説します。
依頼内容を見直し再度申請する
削除依頼が受理されなかった場合、依頼した内容に間違いがないか、問題はなかったかを再確認してみてください。たとえば、以下のような部分です。
- スレッド、レス番号が間違っていないか
- 削除理由がガイドライン違反にあたるか
これを見直したうえで、再度申請をおこなってみてください。また、削除をおこなう削除人はボランティアです。「早くしてほしい」など失礼な発言はしないようにすることも重要です。
弁護士に削除依頼する
自分で削除依頼しても受理されなかった場合、法律のプロフェッショナルである弁護士に代行してもらう方法もあります。
前述のように削除されるかどうかは削除人の判断によるものです。受理されなかった場合でも、投稿内容にまったく違法性がないといえません。
あきらかに名誉毀損やプライバシー侵害などにあたる投稿でも削除されないようであれば、ホストラブの運営会社に対して削除を要求するとよいでしょう。
場合によっては裁判所の仮処分をおこなえば、ほぼ確実に削除できます。弁護士の初回相談は無料という場合も多いので、ためしに話を聞いてみるとよいかもしれません。
ホストラブに誹謗中傷を書き込んだ人物は特定できる?
書き込みした人物を特定するには、弁護士に依頼するしか方法がありません。
手順としては、弁護士を介してホストラブの運営側に投稿者のIPアドレスを開示請求し、そのIPアドレスを提供しているプロバイダーにさらなる情報開示の請求をおこないます。
プロバイダーが情報を開示すれば、投稿した人物の名前や住所、メールアドレスなどを知ることができるでしょう。
ただ、これはネット掲示板などの知識を持った弁護士でなければ難しいため、弁護士選びも重要になります。
まとめ
ホストラブの投稿に関して削除依頼をおこなう手順や、依頼が受理されなかった場合の対処法などをまとめてご紹介しました。
削除依頼が受理されなかった方のなかには、早く消して欲しいからと依頼文が荒いというケースも少なくないようです。
受理されなかった場合でも送信した内容を見直して、再度チャレンジしてもうまくいかなかった場合は弁護士への依頼を検討するのもよいでしょう。
Twitterでの誹謗中傷を削除依頼する方法
Twitterは利用者が多く人気のSNSですが、匿名性が高く手軽に投稿できるという特徴ゆえに、軽い気持ちで誹謗中傷や悪口を投稿してしまうユーザーも存在します。
さらにリツイートやいいねといった機能があり、このような投稿が広く拡散される恐れがあるのです。それを防ぐためにも、誹謗中傷されたら早い段階で削除してもらうことが重要です。
では、Twitterではどのように削除依頼をおこなえばよいのか、その方法を解説していきます。
Twitterの投稿を削除依頼する方法
それでは、投稿の削除依頼をおこなう方法と、用意するものをご紹介します。
Twitter社に削除依頼する
まず、事前に以下のものを準備したうえで操作をおこなってください。ブロックされれば見られなくなる可能性があるため、キャプチャーは重要です。
- 誹謗中傷の内容をコピーして保存
- 誹謗中傷の内容のキャプチャー
- 自分のアカウント情報
- 本人確認書類
STEP1:
問い合わせページにアクセスし、誹謗中傷の通報は「嫌がらせ」、個人情報を含む内容の通報は「個人情報」を選択します。
STEP2:
ここでは、「嫌がらせ」で通報することを前提に解説します。フォームの指示に従って内容を埋めてください。
なお、削除したい投稿のURLは投稿自体をクリックした際のURL(https://twitter.com/ユーザーID/status/数字)なので、注意してください。
スマホからの場合、投稿の下部に表示される「↑」のようなマークをタップし、「その他の方法でツイートを共有」でURLをコピーすることができます。
STEP3:
問題の詳細を記入します。ここでは「該当の投稿がどう誹謗中傷といえるのか」第三者にも分かるように、客観的かつ分かりやすく伝える必要があります。入力後はフルネームで署名を記入してください。
STEP4:
自動返信メールが届き、本人確認書類を提出する手順が伝えられます。提出はスマホで免許証やパスポートなどを撮影して送信するだけです。
STEP5:
本人確認書類を提出し、1週間前後でTwitter社から削除依頼を受理したかどうかの返事が届きます。受理されれば、7~10日前後で削除されるようです。
弁護士に依頼する方法
Twitter社が削除に応じない、もしくは通報対象が多く時間が割けないなどであれば、弁護士に依頼するのがおすすめです。有料ではありますが、削除依頼に係る作業をすべて一任できます。
その場合、Twitterに関する知識があり、ネットに強いことを謳っている弁護士に相談すると、話がスムーズです。弁護士を探すには、以下のような場所を調べるとよいでしょう。
- 検索サイトで「ネット 誹謗中傷 弁護士」「ネットトラブル 弁護士」などと調べる
- 法テラス(日本司法支援センター)に相談する
- 日本弁護士連合会の弁護士検索で探す
Twitter社が禁止している投稿の内容
Twitter社は「Twitterルール」の基本原則において「表現の自由を尊重し、開かれた話し合いをおこなうべき」としつつも、他者に対し嫌がらせや脅し、辱めや侮辱などを禁じると述べています。
禁じている投稿とは具体的に以下のような内容となっており、こういった投稿であれば削除依頼に応じるもしくはアカウントを凍結する可能性が高いと思われます。
個人または集団が深刻な損害を被るように願う
個人または特定の集団に対して、死亡や身体的損害を願うような内容を禁止しています。たとえば「死ねばいい」「事故に遭え」といった内容のことです。
他者を怯えさせる、苦しめるための侮辱
中傷もしくはそれに値する言葉を含む内容で、個人に対し侮辱をおこなった場合に措置をおこなうと書かれています。自殺もしくは自傷行為の扇動も禁止されています。
個人または集団に嫌がらせをするよう呼びかける
個人や特定の集団などに対し、オンライン・オフラインを問わず嫌がらせをするように他者へ呼びかける行為も禁止しています。
殺害予告、危害を加えるなど身体的な脅迫
死に至らしめる、重傷を負わせるなどの意思を表明することです。強烈な身体的脅迫をおこなっていると判断されたユーザーは、アカウントが永久凍結されます。
他者の個人情報を公開、公開すると脅迫する行為、または他者に促す行為
投稿を禁止されている他者の個人情報とは、具体的には以下のようなものをいいます。
- 住所(番地、GPS座標)その他場所の特定につながる情報
- 身分証明書、社会保障番号、その他の国民識別番号など
- 本人が公開していない電話番号、メールアドレス
- 金融機関の口座番号、クレジットカード情報
- 生体データや医療記録など、その他個人情報
ただし、以下の内容に関しては違反にならないとしています。
- 氏名
- 生年月日や年齢
- 勤務先
- 不動産または事業所に関する位置情報(一般公開している場合のみ)
- 容姿の説明
- ゴシップ、噂、告発、申し立て
- テキストメッセージのスクリーンショット、またはTwitter以外のプラットフォームから送信されたメッセージ(電話番号など個人情報を含まない)
削除依頼に応じてもらえない場合
削除依頼を送信しても受理されず、それでもどうしても削除してもらいたいということであれば、裁判所の仮処分を申し立てるという方法があります。
裁判所に仮処分を申し立てる
仮処分とは、正式裁判の前に勝訴と同様の状態を確保できる手続きのことをいいます。申し立てにはある程度の知識や手間がかかるので、弁護士に依頼する方は少なくありません。
なお、裁判所に申し立てをおこなうには担保金(10~50万円)を支払う必要があります。弁護士に依頼する場合、着手金・報酬金の相場はおよそ20~40万円です。
まとめ
Twitterで誹謗中傷をされた場合、自分で対処できる程度であれば削除依頼をおこなう、投稿が複数であるとか、かならず削除したいということなら、弁護士に依頼するのが確実です。
誰に向けて言ったか分からない投稿など、内容次第では削除の基準を満たさず、対処されない可能性もありますが、まずは自分にとって不利益な内容と感じたら通報するとよいかもしれません。
DMCAとは?デジタルミレニアム著作権法を侵害された時の削除申請方法
DMCAとは「The Digital Millennium Copyright Act」の略で、日本では「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれているアメリカの法律です。
たとえば、自分の作成したコンテンツが無断で使用された場合など、DMCAの規定に則り削除を申し立てることができます。どのような法律なのか、また削除申請の方法や注意点などを解説します。
DMCAとは?
DMCAとは日本において「デジタルミレニアム著作権法」と呼ばれるものです。1998年10月にアメリカにて成立、同月28日から施行された連邦法になります。
Web上の著作物に関して適用されるアメリカの法律なので、日本では適用されません。ただし、GoogleやFacebook、Twitterなどの企業はアメリカ法人であるため、DMCAの適用範囲内となります。
この法律の具体的な内容としては、デジタルコンテンツ(ネット上に公開したサイトの文章など)が盗用された際、権利侵害を申し立てることで削除させられるというものです。
Googleで削除申請をおこなう方法
Googleの検索結果において、削除を申請したい際の手順をご紹介します。
STEP1:
著作権侵害による削除ページにアクセスします(Googleサーチコンソールへのログインが必要)。
STEP2:
氏名や会社名など、連絡先となる個人情報を入力します。
会社名以外の項目は入力必須です。代理での削除申請の場合も、当事者本人の名前を記載します。
STEP3:
盗用された内容を記述します。個人情報入力欄の下に、以下のような入力項目があります。
- 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明
- 当該著作物が許可を受けて掲載されている場所
- 権利を侵害している著作物の場所
どの部分がどう盗用されたのか、なにがDMCAの規定に違反しているのか説明してください。申請内容を確認する相手が分かる書き方でないと、受理されない可能性があります。注意してください。
以上を入力し、「送信」を押すと完了します。申請の状態に関しては削除用ダッシュボードから確認することが可能です。
YahooはGoogleの検索エンジンを使用しているため、Googleで削除申請をおこなうとYahooの検索結果からも削除されます。
DMCAに基づく削除申請をおこなう場合の注意点
なお、DMCAに基づいてGoogleに削除申請をおこなう際、つぎのような点に注意が必要です。
- 申し立ては著作権侵害を受けた本人、または代理人でなくてはならない
- 第三者が申し立てることはできません。
- 申し立てをおこなうと、削除依頼したページの掲載者にも伝えられる
- その人物により異議申し立てがおこなわれる可能性があります。
- 削除申請をおこなうと、削除通知の研究プロジェクト「Lumen Database」に送信され、第三者からも閲覧可能になる
DMCAが悪用されるケースも存在する
DMCAは著作権者を守るための法律ですが、これが悪用される場合もあります。それは、著作権者であることを偽り、著作権違反であると虚偽の削除申請をしてしまうケースです。
虚偽の申請でアカウント削除される事例も
そもそもDMCAは、申請があった際にまず削除を実施し、削除された側から異議申し立てがあった場合に再度精査をおこなう仕組みになっています。
そのため虚偽の申請により、本当の著作権者のコンテンツが削除されたケースが実際に発生しています。有名なものでは、人気ゲーム「艦これ」の公式Twitterアカウントが凍結された事例が挙げられます。
これは、公式アカウントが使用するアイコンを「自分が描いた絵だ」と虚偽申請が複数おこなわれ、アカウントが凍結される騒ぎとなりました。
異議申し立てにより結果的にアカウントは復旧されましたが、フォロワー130万人もの企業公式アカウントであっても、DMCAによりアカウント凍結されることが起こり得るのです。
虚偽の申請には異議申し立てをおこなう
DMCAの申し立ては日々大量におこなわれ、削除する側もすべてのケースを完璧に審査できていないのが現状です。そのため、前述のように実際の著作権者が被害者となる事態も起こっています。
ただ、もし自身が著作権者であり、虚偽の申告で被害を受けてしまった場合、異議の申し立てをおこなうことで自身のコンテンツを取り戻すことができます。
削除申請によりコンテンツが削除されると、Google側から「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」といったメールが届きます。このメールから異議申し立てが可能です。
もし心当たりがないにも関わらずこのようなメールが届いたら、すぐに異議申し立てを実施したほうがよいでしょう。
まとめ
DMCAとはなにか、またGoogleでのDMCAに基づく削除申請の方法、注意点などを解説しました。ブログ記事を書いている方や、絵や音楽など創作物を公開している方にとって、無縁ではない話といえます。
コンテンツが悪用された際、上記の方法で申請してみてはいかがでしょうか。また、虚偽の申請があった際もすぐ申し立てがおこなえるよう、日ごろからメールなど確認しておくことをおすすめします。