【中小企業の経営者104名に聞いた】6割以上が「今後、企業SNSを強化していきたい」 一方で「炎上・風評被害」のリスクから躊躇する声も多数
調査概要
調査概要:「SNS時代における企業の風評意識」に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年4月5日〜同年4月7日
有効回答:中小企業の経営者・役員104名
中小企業の経営者・役員の61.6%が「今後、SNSの発信を強化していきたい」と回答
「Q1.あなたは、今後あなたのお勤め先ののSNS発信を強化していきたいと思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が30.8%、「ややそう思う」が30.8%という回答となりました。
- 非常にそう思う:30.8%
- ややそう思う:30.8%
- あまりそう思わない:24.0%
- 全くそう思わない:11.5%
- わからない/答えられない:2.9%
SNS発信を強化したい理由、「企業もSNSを活用するのが当たり前になっているから」が60.9%で最多
Q1で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q2.あなたのお勤め先のSNS発信を強化していきたいと思う理由を教えてください。(複数回答)」(n=64)と質問したところ、「企業もSNSを活用するのが当たり前になっているから」が60.9%、「自社のファンを創ることができるから」が50.0%、「採用面での効果が見込めるから」が40.6%という回答となりました。
- 企業もSNSを活用するのが当たり前になっているから:60.9%
- 自社のファンを創ることができるから:50.0%
- 採用面での効果が見込めるから:40.6%
- 直接顧客の声を聞くことができるから:39.1%
- 低予算で企業・商品をプロモーションできるから:26.6%
- さまざまな企業とつながることができるから:18.8%
- その他:0.0%
- わからない/答えられない:1.6%
他にも「改善点の指摘、どの層が求めているかの統計を取りやすい」や、「今や最も宣伝力のある媒体だから」などの理由も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、あなたのお勤め先のSNS発信を強化していきたいと思う理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=63)と質問したところ、「改善点の指摘、どの層が求めているかの統計を取りやすい」や「今や最も宣伝力のある媒体だから」など42の回答を得ることができました。
- 36歳:改善点の指摘、どの層が求めているかの統計を取りやすい。
- 45歳:今や最も宣伝力のある媒体だから。
- 48歳:通常の採用活動では、なかなかいい人材が取れなくなっているから。
- 39歳:情報のやりとりにおける業務効率の上昇。
- 45歳:若い方への発信ツールとして強いから。
- 43歳:事業所の雰囲気を伝え、入職希望者を増やしたい。
- 41歳:顧客満足度を上げるため。
- 45歳:もっと会社をアピールしたい。
一方、72.1%が、SNSきっかけの「炎上・風評被害」リスクを不安視
「Q4.あなたは、今後お勤め先のSNS発信を行っていく場合、SNSがきっかけで「炎上」や「風評被害」などが発生するリスクに対し、不安を感じますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう感じる」が22.1%、「ややそう感じる」が50.0%という回答となりました。
- 非常にそう感じる:22.1%
- ややそう感じる:50.0%
- あまりそう感じない:15.4%
- 全くそう感じない:6.7%
- わからない/答えられない:5.8%
不安を感じる理由、「些細なことが炎上や風評被害に発展する可能性があるから」が53.3%で最多
Q4で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q5.SNSきっかけの「炎上」や「風評被害」に不安を感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=75)と質問したところ、「些細なことが炎上や風評被害に発展する可能性があるから」が53.3%、「企業のブランドイメージが損なわれるから」が46.7%、「SNSにおいて炎上や風評被害が広まるスピードが早いから」が34.7%という回答となりました。
- 些細なことが炎上や風評被害に発展する可能性があるから:53.3%
- 企業のブランドイメージが損なわれるから:46.7%
- SNSにおいて炎上や風評被害が広まるスピードが早いから:34.7%
- 炎上・風評被害の事態に陥った際の対処方法がわからないから:29.3%
- その他:2.7%
- わからない/答えられない:2.7%
他にも「会社のことをよく思わない人が意図的に炎上させる可能性があるのが怖い」や、「炎上や風評被害により存続の危機に直面する可能性がある」などの不安点も
Q5で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q6.Q5で回答した以外に、SNSきっかけの「炎上」や「風評被害」に不安を感じる理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=73)と質問したところ、「会社のことをよく思わない人が意図的に炎上させる可能性があるのが怖い」や、「炎上や風評被害により存続の危機に直面する可能性があり、とても不安を感じる」など47の回答を得ることができました。
- 49歳:会社のことをよく思わない人が意図的に炎上させる可能性があるのが怖い。
- 36歳:炎上や風評被害により存続の危機に直面する可能性があり、とても不安を感じる。
- 48歳:言葉の選び方や受け取り方がばらつきがあり、定義するのが難しい。
- 37歳:炎上の原因がはっきりしないこともあるから。
- 43歳:スタッフの精神的な負担も大きそう。
- 47歳:他人の目に触れることによるダメージは測定できないが、少なくともマイナスになることは確かだと思う。
- 42歳:炎上による売上、客数の低迷。
- 37歳:正しく情報が伝わらず、批判が批判を呼ぶから。
74.6%が、炎上や風評被害のリスクにより、SNSの活用を「躊躇する」と回答
Q4で「非常にそう感じる」「ややそう感じる」と回答した方に、「Q7.炎上や風評被害のリスクを鑑みた際に、あなたのお勤め先のSNSの活用を「躊躇する」気持ちはありますか。」(n=75)と質問したところ、「非常にそう思う」が25.3%、「ややそう思う」が49.3%という回答となりました。
- 非常にそう思う:25.3%
- ややそう思う:49.3%
- あまりそう思わない:18.7%
- 全くそう思わない:6.7%
74.0%が、今後SNSでの発信を積極的に行っていく場合に、風評被害・誹謗中傷対策を「十分に行いたい」と回答
「Q8.あなたは、今後SNSでの発信を積極的に行っていく場合に、風評被害・誹謗中傷対策を十分に行いたいと思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が42.3%、「ややそう思う」が31.7%という回答となりました。
- 非常にそう思う:42.3%
- ややそう思う:31.7%
- あまりそう思わない:14.4%
- 全くそう思わない:2.9%
- わからない/答えられない:8.7%
風評被害・誹謗中傷対策を希望する理由、「ブランドイメージを守りたい」や「対策はあって損はない」の声
Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q9.SNSでの発信を積極的に行っていく場合に、風評被害・誹謗中傷対策を行いたいと思う理由を教えてください。(自由回答)」(n=77)と質問したところ、「ブランドイメージを守りたい」や「対策はあって損はない」など52の回答を得ることができました。
- 42歳:ブランドイメージを守りたい。
- 46歳:対策はあって損はない。
- 46歳:ビジネスは信用第一なので。
- 38歳:地元の企業なので、口コミで悪く書かれると売り上げに直接響くため。
- 48歳:事実と異なる場合に備えて対策を取りたい。
- 37歳:正しく情報発信をしないとかえってマイナスイメージが先行してしまうから。
- 36歳:収集がつかなくなった場合、事態の沈下に費やす労力が無駄なので。
- 47歳:出来れば未然に防ぎたい。
まとめ
今回は、中小企業の経営者・役員104名を対象に、「SNS時代における企業の風評意識」に関する実態調査を行いました。
まず、中小企業の経営者・役員の61.6%が「今後、SNSの発信を強化していきたい」と回答しており、SNS発信を強化したい理由として、「企業もSNSを活用するのが当たり前になっているから」が60.9%で最多、次いで「自社のファンを創ることができるから」が50.0%という結果になりました。他にも、「改善点の指摘、どの層が求めているかの統計を取りやすい」や「今や最も宣伝力のある媒体だから」などの理由も挙がりました。
次に、72.1%が、SNSきっかけによる「炎上・風評被害のリスク」を不安視していることが明らかになりました。その理由として、「些細なことが炎上や風評被害に発展する可能性があるから」が53.3%で最多、他にも「言葉の選び方や受け取り方がばらつきがあり、定義するのが難しい」や、「スタッフの精神的な負担も大きそう」などの回答が得られました。また、74.6%が、炎上や風評被害のリスクにより、SNSの活用を「躊躇する」と回答しました。
そして、今後SNSでの発信を積極的に行っていく場合、「風評被害・誹謗中傷対策を十分に行いたいと思いますか。」という質問に対しては、74.0%が「対策を行いたい」と回答しました。その理由として、「ブランドイメージを守りたい」や「対策はあって損はない」といった意見が多数寄せられました。
今回の調査では、中小企業の経営者の多くが「企業でもSNS発信を行い、ファンを増やすことは当たり前」と感じており、SNSの発信に力を入れることによって自社の認知拡大やブランディングにつなげる必要性を実感していることが明らかになりました。同時に、些細な事象や誤解によって、炎上や風評被害が起こるリスクを不安に感じており、SNS活用する際に大きなハードルになっているようです。企業のSNS発信においては、炎上や風評被害など、想定されるリスクに対して適切な対策をとり、安心して発信活動に力を注ぐための環境を整えることが、最初の一歩といえるのではないでしょうか。